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金生山化石館

金生山化石館

この施設について

※金生山化石館は、内部撮影は可だが、撮影画像のウェブ掲載は許可していないため、内部画像は掲載しません。

 化石博物館のアプローチ入口看板の何気ない石に化石が含まれていたり、クリーニング中の石が置かれていたりと、研究に余念がないことを見て取れる。
金生山化石館・入口の石 金生山化石館・クリーニング中の化石

 化石館入口脇には、化石の含まれる岩石を水にぬらすと見やすくなることを体験できるよう、岩石と水が用意されている。
金生山化石館・入口案内 金生山化石館・水にぬらした化石

 付近は古生代にできた石灰岩の山なので、古代の海に生息した、フズリナ、サンゴ、ウミユリ、巻貝、二枚貝などの化石が豊富に産出する。この山を研究した熊野敏夫さんの業績とコレクションを展示するために設立された。「日本の古生物学発祥の地」「古生物のメッカ」として知る人ぞ知る場所のようである。純粋にこの山で産出された化石をメインに展示してある施設なので、ある意味孤高で地味である。同じ岐阜県にある化石を展示する施設である岐阜県立博物館や、瑞浪市化石博物館は、哺乳類や恐竜の化石などの大型生物の化石も展示してあり、一般受けはする。

 館内は、2階建ての小ぢんまりした施設ではあるものの、主に金生山で産出された多くの化石やジオラマが展示されている。多くの化石愛好家が訪れるとあって、解説も修正がかかったり、議論がある化石についてはそのように書かれているなど、展示品や解説のアップデートにも余念がない。

 金生山化石館では、有料ではあるものの、「化石レプリカ作成」「化石クリーニング」「微化石標本作成」「アンモナイトアクセサリー作り」「三葉虫発掘」など体験プログラムが用意されている。

 金生山では、石灰石だけでなく、鉄が100万t以上産出されていた時期もあったが、現在は枯渇し、跡地が石灰岩鉱山となっているそうである。1996年に、美濃の古代の鉄文化の解明のための資料として、残鉱3tが大垣こどもサイエンスプラザ東の広場に保存されているというプレートがある。
大垣スイトピアセンターの鉄貯蔵施設

 「金生山」の読みだが、「かなぶやま」が正式のようだが、「きんしょうざん」とも呼ばれ、館内のふりがなにも「きんしょうざん」が採用されていることから、本サイトでは「きんしょうざんかせきかん」としている。なお、GoogleMapの英語版では「Natural history museum」とされている。

 さらに、名前は金生山だが、金生山という頂は存在しない。山全体が古生代ペルム紀の赤坂石灰岩で構成されており、日本一の石灰石生産地として山の大部分が削り取られてしまった。かつて金生山とした頂はすでに出荷されてしまい、今はないが、この丘陵一帯を「金生山」と読んでいるようである。このまま石灰岩の産出が続けば、この化石博物館や真言宗明星輪寺のある部分を除いて削られつくしてしまうのであろう。

 なお、この施設を車で訪れる場合、徒歩ルートとして紹介されている県道216号「虚空蔵口(こくぞうぐち)」からのアプローチ道は、道が極めて細いので、普通乗用車であっても、ナビの案内は無視しウェブページのバス進入路として紹介されている国道417号久太橋西の信号から進入することを推奨。また、登り口に貸し出し杖があるくらいの坂道なので、特に帰りは要注意。それ以前に、美濃赤坂駅付近の路地も非常に入り組み、間違って入り込むと最悪、人くらいしか通れない道まで細くなって終わる道があったりする。
 周りが平らでそこだけ突き出ている形になっているため、化石館駐車場からでも眺望はすこぶるよい。
金生山化石館からの眺望

オプション情報


 金生山化石館前の道をさらに登ると金生山明星輪寺(きんしょうざん・みょうじょうりんじ)がある。山門の手前までは車で登っていけ、駐車場もある。登る途中、この山の裏側の採掘現場を見ることができ、この一帯のみ残されているのがよくわかる。なお、ここへの道は、化石館以上に急な上り坂なので注意。 金生山明星輪寺への道  金生山明星輪寺
 金生山・明星輪寺の本尊は本堂奥の岩窟内にまつられており、本堂奥に上がって見学することができる。

 さらに、本堂に向かって左手の斜面には階段がしつらえてあり、岩巣公園に続く。
金生山明星輪寺・岩巣公園登り口  金生山明星輪寺・岩巣公園登り口

 庵などを抜けさらに登ると、小規模ながらカルスト台地があり、迷路のようになっている。
金生山・カルスト台地1 金生山・カルスト台地2

 カルストを抜けると下から見上げていた岩盤の横に降り立つルートもある。
金生山・カルスト台地3

施 設 概 要

U R L https://www.city.ogaki.lg.jp/0000000664.html
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住  所 岐阜県大垣市赤坂町4527番地19
電話番号 0584-71-0950
開館時間 9:00~17:00(ただし入館は16:30まで)
休 館 日 火曜日(祝日の場合は翌日)、
祝日の翌日(その日が日曜日または火曜日にあたるときは、その翌日とし、その日が月曜日または土曜日にあたるときは、その翌々日)、
12月29日~1月3日
アクセス JR東海道線支線(美濃赤坂線) 美濃赤坂駅下車徒歩15分 JR東海道本線 大垣駅南口1番のりばから名阪近鉄バス赤坂線 消防赤坂分署行きに乗車、
「虚空蔵口」で下車、徒歩10分
駐 車 場 無料駐車場あり。
駐輪場なし(空きスペースに駐輪)。
二輪車は普通車スペースに駐車することになると思われる。
入 場 料 大人:100円、18歳未満:無料(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間を含む)、大垣市内在住65歳以上:無料
割引情報 障碍者無料、団体割引
備  考 アクセス道路は狭く、傾斜も急なので注意

2024/07/23 update