名古屋から行く科学館・動植物園・水族館・プラネタリウムガイド

竹島水族館

竹島水族館全景

この施設について

 1956年開館(現在地に移転したのは1962年)の水族館で、2024年10月に新館が開業するまでは、当時のwikipediaによれば日本で4番目に小さい水族館であった(現在の順位は不明)。三河湾や遠州灘の生物を中心に展示されている。小さな水族館なので、他の水族館にありがちな圧倒するような大水槽はない。また、施設自体も広くないため、工夫した展示が行われている。逆に規模的に手ごろで、全ての展示物をひととおりちゃんと見て回れるとも言える。

 竹島水族館旧館の東側にあった土産物屋長屋が取り壊され、2024年4月より段階的に拡張準備が行われ、2024年10月12日に全館オープンし、敷地面積がほぼ倍増した。

工事中の旧館 2024/7/30撮影  工事前の旧館 2024/7/30撮影
工事中の新館(左)と 工事前の旧館(右) 2024/7/30撮影

 入口は旧館から本館東側に移動し、新館から入場することとなった。新館を抜けて旧館裏側から旧館に入り、順路を一蹴した後また新館に戻るという流れとなった。そのため、旧館に入るとさっそくタッチプールとなっている。

 新入り口から入ると、正面に深海大水槽がある。
竹島水族館・深海大水槽

 新館で個別の魚を展示するスペースは見当たらない。順路に沿って進むと、すぐに屋外に出る。
 新館の壁には、おそらく新館設立にかかわった方へのお礼の書き込みがある。地域に根差した水族館である。
竹島水族館・新館の壁の寄せ書き

 出てすぐにカピバラエリア、進むとアシカプールがある。旧館のアシカプールに比べ、プール自体も、観客席も広くなった。ただ、観客席は階段状になっていないため、後ろからは見にくいのではないか。
竹島水族館・カピバラ  竹島水族館・アシカプール

 進むと、旧館の裏、オットセイプールに導かれる。その左右に海水の浄化装置が並ぶ。こういうバックヤードを見せるのも大切なことだと思う。
竹島水族館・海水浄化装置  竹島水族館・海水浄化装置

 旧館は、裏から入る順路となった。旧館入り口脇にはリクガメの展示スペース、そしてオットセイプールはそもまま残されており、住民もいる。新館のアシカプールは天幕がないため、雨天時はこちらが使われるのだろうか?そもそも、新館から旧館へのルートには屋根がないため、雨天時の誘導はどうされているのだろうか?なお、オットセイ、アシカとも新環境への順化のため2024年12月27日現在、ショーは休止となっている。
竹島水族館・リクガメ  竹島水族館・オットセイプール

 ついで、旧館へ裏側から入る。旧館のレイアウトに大きな変更はなく、よって、まずタッチプールに導かれる。
 タッチプールも、ヒトデやウニなどのありきたりな生物でなく、タカアシガニやオオグソクムシが触れる。
竹島水族館・タッチプールタカアシガニ  竹島水族館・タッチプールオオグソクムシ

 ここからは、旧館の順路となり、展示物に大きな変更はない。展示水槽は小さいが、中のレイアウトを工夫して楽しく見せている。
竹島水族館・展示水槽  竹島水族館・展示の工夫

 竹島水族館の見どころは、至る所に貼られていている飼育員さんの手書きのポップである。動物紹介だけでなく、苦労話、時には本音を交え、飼育員さんと観客の距離感をなくしている。このポップは、新館にもちゃんと貼ってある。
竹島水族館・ポップだらけの水槽  竹島水族館・ポップ

 水槽内の魚の説明文に「美味」とか、飼育員さんが自己調達してきたとか表示しているのはここだけであろう。
竹島水族館・美味シール  竹島水族館・展示魚のお味ポップ

 飼育生物も、特色があり、飼育の難しい生きたサンゴを展示したりしている。
竹島水族館・サンゴの飼育ポップ  竹島水族館・生きたサンゴの展示

 この水族館は、深海魚を採る漁師さんとコネクトがあるらしく、深海生物の展示数は群をぬいているそうだ。特に、タカアシガニは、全ての足が揃った大型のものを常時展示するだけでなく、全国の水族館へのタカアシガニが供給水族館になっているそうだ。当然、食レポも忘れない。
竹島水族館・タカアシガニの展示  竹島水族館・深海魚食レポポップ

 哺乳類としては前述のオタリア(アシカ)、ミナミアメリカオットセイ、カピバラのほか、コツメカワウソも旧館最奥で飼育されている。
竹島水族館・コツメカワウソ

 旧館から順路に従って出ると、連絡通路を通って新館に移る。ここで有料エリアから出場となるが、う回路があり、再度元の深海大水槽に戻れる構造となっている。有料エリアから出場すると、土産物ショップに入る。土産物エリアは旧館時代に比べスペースが広く、明るく、販売品目も増えた。おみやげも一風変わっており、特筆すべきは「超グソクムシ煎餅」。外箱パッケージはオオグソクムシそのものでありお土産としてのインパクトは最高である。さらに、竹島水族館らしく、原材料の一部にオオグソクムシが使用されているとのこと。これで蒲郡水族館員と同じく、味わう体験ができそうである。
竹島水族館・超グソクムシ煎餅 

 時間があれば、竹島も見学できる。水族館から歩いてすぐに沖合の竹島と結ぶ橋があり、常時渡ることができる。竹島は天然記念物であり、頂上には神社もある。

 竹島海岸は潮干狩り場にもなっており、潮干狩りシーズンには混雑するので注意が必要である。

施 設 概 要

U R L https://www.city.gamagori.lg.jp/site/takesui/
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住  所 愛知県蒲郡市竹島町1-6
電話番号 0533-68-2059
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
休 館 日 年中無休。ただしメンテナンス休館あり
アクセス JR東海 東海道本線または名鉄 蒲郡線 蒲郡駅南口より徒歩約15分
駐 車 場 水族館西に無料駐車場あり。
満車の際は、隣接する竹島園地駐車場を利用。竹島園地駐車場は、平日無料、土日祝日と4月27日から5月8日までは有料(4月・5月は500円、それ以外の月は300円)
駐輪場はないので、空きスペースに駐輪することになる。
二輪車は普通車スペースに駐車することになると思われる。
入 場 料 大人:1,200円、4歳以上小中学生まで:500円
割引情報 蒲郡市民を証明できるものがあれば大人:500円、4歳以上小中学生まで:200円
障碍者割引、学校団体割引
※がまポン(観光案内所などでもらえる蒲郡割引クーポン)での割引は、2024年7月30日現在、ないようです
備  考 名称は「竹島」水族館だが、水族館は竹島を望む海岸にあり、竹島にあるわけではない。
潮干狩りシーズンには、潮干狩りとセットで楽しむこともできるが、混雑も集中するので注意が必要。

2025/01/03 update