横山ダム
この施設について
管理事務所が国道303号線沿いにあり、ここまでの道のりはそこそこあるものの、道も整備されており、アクセスが非常に楽なダムの一つである。
堤体上部は、以前は国道303号として車も通行できたが、すれ違いが困難なため、上流に奥いび湖大橋ができたことにより、車の進入はできない。徒歩での見学は可能。
形式としては、中空重力式という全国に13か所しかない珍しい型式のダムである。建設当時はコンクリートが高価で、ダム内部に中空を設けることによりコンクリートの使用量を減らすことで、中空部分を作る手間をかけても安価にダムを建設できるためこの方法が採用されたが、現在はこの方式を使うことはなくなっている。また、安定性が増す利点もあるそうである。
中空のダム内部は一般公開されており、土日祝日年末年始を除く平日、10:00~と14:00~の2回行われている。見学時間は1時間ほど。見学には予約が必要。
まず、管理事務所でダムの種類、横山ダムの役割などの解説を聞いた後、建物奥にある制御室を見学。制御室はダムの操作卓と、近隣のダムを含めた各種データが表示されるパネルからなる。この制御室のみ、写真撮影不可。
その後、堤体上部に移動し、そこにあるエレベータに乗って堤を降りる。
内部の通路を監査廊と言う。内部は、漏水があったり、夏場は外部との気温差があり、結露したり、霧が発生したりして湿度が非常に高い。見学時には、特に履物には注意が必要である。
まず、オリフィスゲートを内部から見る。上部から油圧シリンダーが伸び、ゲートを開閉する機構が見える。奥には、見学者は利用しないが、一般点検時に利用する下に降りる階段も見える。
オリフィスゲート上部に空いている穴は、放水時に圧縮された空気を抜くためにあるそうだ。
さらに降りると、中部電力横山発電所に送水する巨大なパイプが現れる。堤体上から見てもよくわからないが、実際に間近に見ると、その太さに圧倒される。
さらにもう1階層下がると、ダムの最低部になる。ここまで降りると、今まで部分的に見えてきた中空部分の全容を観ることができる。
この中空部分は「宇宙戦艦ヤマト」の唯一の実写版映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』において地球防衛軍地下ドックとして使用された。中空部分は、谷間の形状により、高さ、形状がそれぞれ異なる。また、上部の斜め部分はオリフィスゲートなどを支えるために、あの形状となっているそうだ。
各階層に温湿度計が設置されているが、堤内の気温は安定しており、夏涼しく、冬は温かなようである。また、このダムは中空式のため、どのダムにもあるダムを支える基部からしみ出す地下水を集める地下水だめも見ることができる。これでダム見学は終了となる。
横山ダムのダムカレーは、横山ダムから国道303号を木之本(滋賀県)方面に7.5kmほど進んだところにある道の駅「夜叉ヶ池の里・さかうち」で提供されている。シカ肉を使ったジビエカレーにジビエコロッケ、季節の野菜天ぷらなどが載っている。味もまろやかなので、子供でも食べることができる。
河川名 | 木曽川水系揖斐川 |
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形 式 | 中空重力式コンクリートダム |
ゲート | オリフィスラジアルゲート×3門 クレストラジアルゲート×2門 |
堤 高 | 80.8m |
提頂長 | 220m |
総貯水量 | 4千万m3 |
本体着工/完成年 | 1959年着工/1964年完成 |
備 考 |
施 設 概 要
U R L | https://www.cbr.mlit.go.jp/kisojyo/yokoyama/ 外部サイトにリダイレクトされます |
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住 所 | 岐阜県揖斐郡揖斐川町東横山1330(横山ダム管理支所) |
電話番号 | 0585-52-2211(横山ダム管理支所) |
開館時間 | 8:30~17:15(ダムカード配布時間) |
休 館 日 |
無休 ただし、堤体内部の見学は、土日祝日年末年始を除く平日のみ |
アクセス |
養老鉄道 揖斐駅より揖斐川町ふれあいバス広瀬行 上平住宅口下車500m 地域コミュニティバスのため、本数が少なく、利用は推奨できない。 自家用車での来所を強く推奨。 |
駐 車 場 | 無料駐車場あり。 駐輪場なし。空きスペースに駐輪することになる。 二輪車は普通車スペースに駐車。 |
入 場 料 | 無料 |
割引情報 | (無料) |
備 考 | ダムカードは管理事務所玄関風除室で配布。配布時間8:30~17:15。 ただし、土日祝、年末年始は管理支所玄関のインターホンを押して係員さんからいただいてください。 |
2023/08/27 update