名古屋から行く科学館・動植物園・水族館・プラネタリウムガイド

日本最古の石博物館

日本最古の石博物館全景

日本最古の石博物館入口  日本最古の石博物館入口

この施設について

 道の駅・ロック・ガーデンひちそうに併設された博物館。銀色に輝く特異な外観(宇宙船をイメージしているそうだ)は目を引く。しかし、内部の展示の質は高く、展示も解説も丁寧である。

 1970年に、飛騨川の飛水峡から出土した片麻岩礫が20億年前のものと推定され、当時、日本最古の石であったことにちなみ、1996年に開館した。

 入館すると、まず大映像室に通される。ここで、地球の歴史などについてレクチャーを受ける。個人的にはこの映像にウルトラQ(コミカル展開版)的な演出を感じる。
日本最古の石博物館・大映像室

 映像が終わると、「タイムスリップエレベーター」に案内され、地下1階に降りる。このエレベーターにも演出がある。エレベータ脇にいるのがマスコットキャラのレッキーくんとレッキーちゃん(敬称を抜けばどっちもレッキーなんだが)。
日本最古の石博物館・タイムスリップエレベーター

 エレベータを降りると、地球の歴史が順に展示される。
日本最古の石博物館・地下一階展示室

日本最古の石博物館・世界最古の岩石  日本最古の石博物館・世界最古の鉱物(約44億年前)を含む礫岩
世界最古の岩石(40.3億年前)(左)と世界最古の鉱物(約44億年前)を含む礫岩(右)

日本最古の石博物館・地球最古の礫岩  日本最古の石博物館・ストロマトライト
地球最古の礫岩(38億年前)(左)とストロマトライト(右)

 そして、中央にこの博物館のメイン、日本最古の石だったものが展示されている。
日本最古の石博物館・日本最古の石だったもの  日本最古の石博物館・日本最古の石だったもの
 この岩すべてがそれに該当するわけではなく、この石に含まれる種々の鉱物のうち、いくつかが日本最古と認定されたものということである。

 この館に取って残念なことではあるが、2020年に島根県で25億年前の石が発見され、日本一の座は譲ることになったが、島根県津和野町から津和野で発見された現在日本最古の石とされる花こう片麻岩が寄贈され展示されるに至った。
日本最古の石博物館・日本最古の石  日本最古の石博物館・日本最古の石
 日本最古の石が展示されているため、「日本最古の石」博物館の名はフェイクではない。
 一通り見終わり、出口兼入口に戻ると、その左側にクイズコーナーがある。受付でわたされるコインを投入すると選択式の問題が発問される。内容は展示内容をしっかり見ていれば答えられる問題、とは言うものの、素人にはそこそこ難しい。全問正解すると石の入ったガチャポンボールが排出される。

近隣の見どころ

《展望台》
 道の駅 ロック・ガーデンひちそうの裏には展望台があり、風光明媚な飛騨川の飛水峡を臨むことができる。
飛水峡

《日本最古の石発見碑》
 日本最古の石博物館から約800mほど下流の飛騨川対岸に「日本最古の石発見碑」がある。 (ロック・ガーデンひちそうから行くにはさらに200mほど下ったところにある橋を渡って戻る形になる) 日本最古の石発見碑  日本最古の石発見碑
 発見碑の左手には、下に降りるための階段があるが、2023年秋の時点では閉鎖されていた。なお、閉鎖が解除されていてもすぐそこが谷であるため、十分な用心が必要である。
 その碑に行くために渡る鉄橋から、旧・日本最古の石が発見された岸が垣間見られる。
日本最古の石発見地  日本最古の石発見地


《飛水峡の甌穴群》
 逆に、ロック・ガーデンひちそうから国道41号線を横断し、上麻生駅を超えて上流方面に歩き、右に折れると(詳しくはロック・ガーデンひちそうなどのガイドマップを参照してください)赤い鉄橋の上麻生橋が見える(道の駅駐車場から橋までおおむね2km)。橋の下流右岸には中部電力上麻生発電所が見え、さらに飛水峡が続く。
上麻生橋  上麻生橋より下流を望む
 逆に、上流を望むと、対岸(飛騨川左岸)ちょうど国道41号トンネル下に飛水峡の甌穴がある。岩石のくぼみに石が落ち込み、それが水の流れで回転するうちに岩石を削って丸い穴が開く現象を甌穴(ポットホール)といい、この橋より上流2kmほどにわたって、甌穴群が分布するため、「飛水峡の甌穴群」として天然記念物指定されている。
上麻生橋上流の甌穴


《飛水峡ロックガーデン》
 上麻生橋をいったん山側に戻り、線路を渡った丁字路を右に折れる。案内看板に従い上流へ登ってゆくと、丁字路分岐から600mほどで飛水峡ロックガーデン(道の駅とは全く別の施設)に着く。
飛水峡ロックガーデン  飛水峡ロックガーデンのポットホール
 ここは、階段があって、谷の上の斜面に降りることができ、甌穴群を実際に歩いてみることができる。
飛水峡ロックガーデン  飛水峡ロックガーデンより特急ひだ
 ただし、自然地形むき出しのため、靴はそれなりのものを履くのが無難である。また、谷への落下防護柵などは一切ないため、谷に近づくときは用心する必要がある。なお、ここには駐車場があり、乗用車程度であればそこまで車で行くことができる(ただし、途中の道はそれなりに狭い)。

施 設 概 要

U R L https://www.hichiso.jp/top/kanko/sightseeing/stone/museum/
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住  所 岐阜県加茂郡七宗町中麻生1160番地
電話番号 0574-48-2600
開館時間 9:00~16:30(ただし入館は16:00まで)
休 館 日 木曜日(祝日・振替休日の場合は開館)
国民の祝日・振替休日の翌日
12月28日~1月1日
アクセス JR東海 高山本線 上麻生駅より 約1.2km
駐 車 場 基本的には道の駅・ロック・ガーデンひちそうと共通利用となっている。
無料駐車場あり。
入口入って右方に進むと、自販機脇にサイクルスタンドがある。
二輪車は入口右のスペースに駐車する。
入 場 料 大人:300円、高校生:200円、小中学生:100円、70歳以上:200円
割引情報 団体割引、JAF割引
備  考

2024/01/07 update