名古屋市科学館
この施設について
名古屋地区を代表する科学館。東海地方の他の理科学施設は、ここの展示物がベースになっていると思う。展示は、子供でも分かる扱いになっているが、大人は大人なりに学べる深い内容となっている。真面目に見ると、1日では見切れないボリュームがある。
1962年11月3日にプラネタリウムをメインとした「天文館」、2年後の1964年11月1日に物理・原理・技術といった内容を紹介する「理工館」が開館。1989年4月29日には、生命・生活・環境を紹介する「生命館」が開館するとともに既存館の大改修も行われ、総合科学博物館としてリニューアルされた。
名古屋市科学館は、《生命館》《理工館》《天文館》の3棟からなる。
《理工館》
7階 星のひろば
観望会時に望遠鏡を設置する屋外スペース。80cm大型望遠鏡を備える天文台が続く。
6階 最先端科学とのであい
~地球を知る/地下へ挑む/宇宙へ挑む/話題の科学~
基本的には天文館6階プラネタリウム入り口の待ちスペース的な存在となっているが、地球の構造、宇宙開発、気候変動などが展示してある。
5階 物質・エネルギーのせかい
~材料大集合/原子・分子/エネルギー/「極寒ラボ」~
物質、原子、材料など、化学分野の展示がある。
また、マイナス30℃を体感できる「極寒ラボ」がある。「極寒ラボ」入場には整理券が必要である。極寒ラボは、-10℃の前室で寒さに体を慣らし、-30℃の部屋で約5分の見学、-10℃の後室で体を慣らし、外へという構成になっている。入口には外套が貸し出されているが、-30℃はハンパな寒さではないので、借りることを強く推奨する。
一般の平日は開館時と13時、土日祝日は開館時と12:30、14:30、長期休業中の平日は開館時と13:00、15:00に「極寒ラボ」横で配布される。配布は先着順。
4階 科学原理とのふれあい
~数学/実験のアトリエ/情報科学/「放電ラボ」~
物理分野の「波」、自然科学と数学、デジタルの原理などについて解説。
このフロアには「放電ラボ」がある。
120万ボルトの放電が可能な大型テスラコイル2機が設置され、静電気についての解説のあと、何度かテスラコイルの放電を間近に見ることができる。テスラコイルは2機あるが、1機のみで放電は可能。「放電ラボ」見学には、開始時間前に放電ラボ入口に並び先着順で鑑賞できる。ただし、大音響が出るため、大きな音が苦手な方は、上の階の見学窓から見るのが無難。ケージで囲ってあるため、放電に関しては安全である。
3階 技術のひろがり
~機械の素/身近な機械/部品・製品をつくる/街ではたらく機械/「竜巻ラボ」~
工学系の展示。歯車、てこ、ねじ、ベルトなどの原理、材料の加工、都市パノラマなど。
「竜巻ラボ」があるが、自由参加のため、開始時間に行けば観ることができ、整理券などは不要。この装置自体は見栄えがするため、多くの科学館で観ることができるが高さ9mの大掛かりなものはあまりない。
2階 不思議のひろば
~かんかくのふしぎ/おとのふしぎ/あそびのひろば/ひかりのふしぎ/
うごきとかたちのふしぎ/なつかしのてんじ/
くものステージ/かわのステージ/海のステージ~
各種ポンプ、光と影、だまし絵、ジャンボシャボン玉など、動きが見れる展示のため、いつも小学生が鈴なりである。
また、たこのダンスや、NKSじしゃくなど、旧理工館時代からの展示物がまだ見られるものもある。たこのダンスは旧理工館開館の1964年から展示されており、名古屋市科学館で最も古い展示である。NKSじしゃくは1974年に寄贈。
1階 事務室・情報資料室・エントランスホール
理工館から生命館1階に続く通路には、コインリターン式のコインロッカーが設置されている。ロッカー番号に相当する元素記号が記入されており、さすが科学館である。
地下2階
イベントホールとなっており、イベントや講演会などに利用されている。
《生命館》
6階 実験室など
通常は入れなくなっている。
5階 生命のひみつ
~生きものラボ/DNA/細胞/くらしとバイオテクノロジー~
DNAの構造、複製。遺伝子操作を受けた生物の展示、モデル生物の展示など。
生命ラボという実験室があり、通常は先着順で毎日実験に参加することができる。また、電子顕微鏡などを備えており、相談すれば利用が可能になる場合もありそうである。
4階 人体のふしぎ
~うごかす・ささえる/そだつ・うけつぐ・かわる/つたえる・かんがえる・ちょうせつする/
はこぶ、めぐる/とりこむ・すてる/からだのしくみ~
神経系、呼吸循環器系、消化器系、筋肉系など人体の内部構造と、胎児成長の様子などを展示。
3階 生活のわざ
~くらしと地球/家と都市/食のめぐみ~
家の作りや世界の暮らし、環境と暮らしなどを展示。
2階 地球のすがた
~地球環境変化の歴史/過去の地球を探る/地球のデザイン/発見処~
地球の歴史として、原始地球の石、縞状鉄鋼層、ストロマトライトの展示、生命の誕生と進化、地上進出の様子などを展示
1階 休憩室・フーコーの振り子
基本的には休憩スペース、自販機コーナーとなっており、飲み物とおやつ程度を購入し、飲食できる。
吹き抜けを利用し、長さ27.9mのフーコー振り子が設置されており、地球の自転を観察できる。
地下2階 あいち・なごやノーベル賞受賞者記念室
名古屋市や愛知県にゆかりのノーベル賞受賞者の人物、業績を展示。
・野依良治「キラル触媒による不斉反応の研究」
・小林誠・益川敏英「小林・益川理論」
・下村脩「オワンクラゲの緑色蛍光タンパク質の発見」
・赤崎勇・天野浩「世界初の青色LEDに必要な高品質結晶創製技術の発明に成功」
・大隅良典「オートファジーの仕組みの解明」
・吉野彰「リチウムイオン二次電池の発明」
《天文館》
6階 プラネタリウム
プラネタリウムについては後述。
5階 宇宙のすがた
~宇宙のひろがり/プラネタリウムの歴史/天文学のあゆみ~
太陽系、惑星、銀河系、宇宙の果て、小牧隕石、各種プラネタリウム、天文学の歩み、スパークチェンバーなどが展示されている。
このフロアの目玉展示は、1962年11月3日の開館から2010年8月31日まで投影を担当したツァイス社製Ⅳ型投影機である。静態展示ではなく、一部機能が稼働な状態で保存されている。
科学館天文館プラネタリウムドームに設置されていた当時の様子
(2010年8月3日撮影)
2023年にプラネタリウム100周年ということで灯が入ったツアイスⅣ型。
この際、Ⅳ型に投影させるだけでなく現行Ⅸ型の投影を同時に行い、星の表現の違いを映し出した。
画像は、オリオン座の三ツ星。
それ以外にも、いくつかのプラネタリウムの展示がある。
1974年に愛知県東栄町「御園天文科学センター」に設置された金子式ピンホールプラネタリウム本機。
1996年に石川県羽咋市「コスモアイル羽咋」に設置されたデジタルプラネタリウム「デジスター2」本機。
4階 サイエンスステージ
毎日サイエンスショーが行われる。出入り自由、整理券不要
《屋外》
SM50S型雪上車522号車 / 市電1400型ボギー車
フランシス水車 / 無人探査機ドルフィン3K
H-ⅡBロケット / 日本実験棟「きぼう」
他にB6型蒸気機関車、太陽系40mプラン、光害対策照明、ニュートンのリンゴの木、風力発電装置などもある。
twitter「非公式です! 名古屋市科学館・プラネタリウム」さん(@nagoya_planet)によると、「名古屋市科学館の球体外径は約40mそして写真下の名古屋市科学館プレートの球体直径は37cmで、太陽と地球の大きさ比率と同じになっていまーす。」外部サイトにリダイレクトされますだそうです。
《別館》
1階 ショップ、レストラン
名古屋市科学館は、QRコードのついた入場券があれば再入場可能なので、レストランを利用してから再入場も可能。少し歩く元気があれば、科学館北側のエリアにビジネスマン向けの多数の飲食店があり、平日はランチ営業もしている。どんどん庵もある。もうちょっと歩けば牛丼屋もある。
なお、マスコットキャラクターは「アサラ」。
アストロ(ASTRO):宇宙、サイエンス (SCIENCE) : 科学、ライフ(LIFE): 生命より。
プラネタリウム
光 学 投 影 機 | ツァイス社製 ユニバーサリウムⅨ(9) |
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デジタル投影機 | コニカミノルタプラネタリウム製 Media Globe Σ SE |
ドーム諸元 | ドーム径35m、水平、座席350席、円周方向配置 |
設 置 年 | 2011年3月19日 |
上映時間 |
①10:00~、②11:20~、③12:40~、④14:00~、⑤15:20~、⑥16:40~の枠がある。 日により休演となったり、学校団体枠になることもあるので、事前に確認が必要。 チケット購入時に時間指定ができる。 |
備 考 |
2011年に現ユニバーサリウムⅨとなり、リニューアルオープンした際はプラネタリウムドーム名称を「Brother Earth」と称したが、2021年4月1日からネームライツ権が移り、現在は「NTPぷらねっと」と称する。 このプラネタリウムの詳しい仕様はこちら(外部サイトにリダイレクトされます)。 このプラネタリウムのさらに詳しい仕様はこちら(外部サイトにリダイレクトされます)。 |
座席は、発券時にランダムに席が指定されるタイプの指定席で、全席リクライニング、左右のスイング可能。
1~2か月ごとにテーマを決め、全て生解説で運用している。
土日には一般投影だけでなく、ファミリーアワーと称し、年齢対象を絞った投影(一般も視聴可)も行われている。
遮音室や、耳が聞こえにくい方のための補聴システムを有する。
また、プラネタリウム本機は、内容に応じて昇降が可能。
施 設 概 要
U R L | http://www.ncsm.city.nagoya.jp/ 外部サイトにリダイレクトされます |
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住 所 | 愛知県名古屋市中区栄二丁目17番1号 |
電話番号 | 052-201-4486 |
開館時間 | 9:30~17:00(入館は16:30まで) |
休 館 日 | 月曜日(ただし、祝日の場合は直後の平日)、 第3金曜日(ただし、祝日の場合は第4金曜日)、12月29日~1月3日 |
アクセス | 名市交 東山線・鶴舞線 「伏見」駅下車、4・5番出口より南へ徒歩5分 |
駐 車 場 | 駐車場なし。付近の有料駐車場を利用することになります。車椅子用駐車場は、あり。 駐輪場あり。レストラン東側。原付を含め二輪車駐車不可。 二輪車駐車場なし。(原付のみ、伏見通にわずかに有料駐車スペースあり) |
入 場 料 | 大人:800円(400円)、高・大学生:500円(200円)要学生証、中学生以下無料 注:展示室とプラネタリウムの料金。( )内は展示室のみの料金 特別展は別途料金がかかります。 |
割引情報 | 名市交1日乗車券提示で割引、ぴよか/はぐみんカード割引、 名古屋市在住65歳以上の方割引(要敬老手帳)、団体割引、障碍者等割引 |
備 考 |
観覧券は当日でもオンラインで購入できる(決済はクレジットカードのみ)。ただし、一日乗車券による割引などは適用されないので注意が必要。 名古屋市科学館チケットのオンライン購入サイト 外部サイトにリダイレクトされます |
2024/08/13 update