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長良川河口堰

長良川河口堰

長良川河口堰・堰上

この施設について

 長良川河口堰は、三重県桑名市の長良川河口から5.4km上流、おおむね「なばなの里」のすぐ上流に治水と利水を目的に設置された総延長661mの可動堰(可動部555m)である。長良川にはじめてつくられた堰である。

 この堰は、一般の固定式ダムとはことなり、2枚のゲートを水面下に下げたり、逆に水面上に引き上げたりすることによって流量を調節する珍しい堰である。2枚のゲートを下すことにより、川の中に障害物を置く形となり、堰上流側の水位が上昇し、その水を導水できるようになる。ゲートを下ろしても、水はゲートを乗り越えて下流に流れる。
長良川河口堰・堰上を超える水

 取水された水は長島町で利用されるだけでなく、長良導水を通じて約34km離れた愛知県の知多浄水場に水を送り、愛知県知多半島地域4市5町(半田市、常滑市、東海市、知多市、阿久比町、東浦町、南知多町、美浜町、武豊町)の水道用水となっている。逆に高潮時などはゲートを水面上に引き上げて流れを妨げないような運用がなされている。

 また、堰により海からの塩水の侵入が阻止されるため、海水の侵入に流されていた北伊勢工業用水などの水質や、流域の塩害の改善につながっている。さらに、塩水が侵入するため行えなかった長良川のしゅんせつも行えるようになり、水害防止にも役立っている。

 長良川の河口を締め切るため、川をさかのぼったり行き来する生物のために、さまざまな方策がとられている。
 ①両岸に呼水式魚道を設置する。
  長良川河口堰・呼水式魚道
 ②右岸側にせせらぎ魚道を設置する。
 ③左岸にロック式魚道、右岸に閘門兼ロック式魚道を設置する。
 ④ゲート沈下時には、川の水はゲートの上を流れ、そこを超えられる生物は自由に行き来できる。

 などが行われており、多様な生物の行き来ができるよう工夫されており、2024年4月23日には1日だけで8万匹のアユの遡上が確認されている。

   魚道を通過する魚の様子は、左岸側呼水式魚道に観察窓が設置されており、見学することができる。
長良川河口堰・魚道観察室 長良川河口堰・魚道の様子

   右岸側には、アクアプラザながらがあり、長良川河口堰の解説や、高いところからの堰の見学ができるようになっている。また、津波などに対する近隣の避難場所ともなっている。ただ、上層階の窓のコーティングが劣化しており、結局のところ、屋上まで登らないとよく見えない悲しい状態になっている。
長良川河口堰・アクアプラザながら 長良川河口堰・アクアプラザながら

 なお、決められた日に予約をすれば、ゲート巻き上げ機室の見学コース(毎週水曜日・実施日注意)に参加することができる。また、ダムの日などは、予約なしで機械室を見学できる場合もある。なお、機械室内部は撮影制限があるので指示に従うこと。

  ダム諸元(ダムカードのデータを転載)
河川名 木曽川水系長良川
形 式 可動堰
ゲート シェル構造二段式ローラーゲート
堤 高 記載なし
提頂長 総延長 661m、可動部分 555m
総貯水量 記載なし
本体着工/完成年 1988年着工/1995年完成
備  考

施 設 概 要

U R L https://www.water.go.jp/chubu/nagara/
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住  所 三重県桑名市長島町十日外面136(長良川河口堰管理所)
電話番号 0594-42-5012
開館時間 9:00~17:00(長良川河口堰管理所ダムカード配布時間)
10:00~16:00(アクアプラザながら)
休 館 日 12月29日~1月3日(長良川河口堰管理所ダムカード配布休日)
毎週月曜日、年末年始(アクアプラザながら)
アクセス JR東海関西本線・近鉄名古屋線 桑名駅より
  57号系統「なばなの里」行き直通バス終点下車 徒歩3分
駐 車 場 無料駐車場あり。駐輪場あり。二輪車は普通車スペースに駐車。
入 場 料 無料
割引情報 (無料)
備  考

2024/08/19 update