名古屋から行く科学館・動植物園・水族館・プラネタリウムガイド

大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
核融合科学研究所



  

この施設について

 核融合に関する基礎研究が行われている研究施設であり、その一環として見学「も」行っている。「プラズマを封じ込める大型ヘリカル装置(以後、LHD(Large Helical Device)と略)の開発、維持、素材の開発、運用」、「LHDに封じ込められたプラズマの物理現象の解析、加熱制御の研究」、「LHDやプラズマに関する理論シミュレーション」などを行っている。以前は、各大学で行われてきたが、実験を発展させるためには大型装置が必要となり、統合されこの研究所となった。

 基本的に研究施設のため、見学には予約が必要である。以前は秋にオープンキャンパスが開かれていたが、コロナ禍でオンライン開催となっている。なお、見学者に制限事項があるため、申し込み案内を確認のこと。希望者は、ウェブページ中のフォームで申し込みを行う。見学設定時間は1回目は10:00~、2回目は13:30~で、所要時間はオプションにより60~90分。オプションで、LHD内部に作り出される真空についての実験や、LHD内部のバーチャル映像見学などを組み合わせることもできる。

 施設見学では、まず、映像で施設の紹介がされ、その後、施設の見学となる。

 まず、LHDの制御、観測を行う制御室。今回は、タイミングが良く内部に入れてもらうことができた。


  

 次に、展示コーナー。

 LHD 1/20模型。

  
 ヘリカルコイルに巻かれている超電導ケーブル。
 超電導ケーブルの特性上ケーブルをつなぐことができないため、このケーブルを数本使い3年がかりでヘリカルコイルに巻いて行ったそうだ。なお、右写真で、周囲は純銅、中心部左側の銀色の塊が純アルミニウム、その右の丸がたくさん並んでいる部分が超電導ケーブルである。

  
 ヘリカルコイルに電力を供給する超電導バスライン。
 中央部に超伝導体、その周りを冷却用液体ヘリウム、断熱真空層などで覆ったケーブル。

 最後に、大型ヘリカル実験棟に入る。LHD本体は、非常に複雑な装置であり、おそらく、内部配置は研究優先で「一般」見学者が安全に見学できるようにはなっていないためだろう(推測)、LHD本体建屋を見学することはできない。



 ヘリカルコイルの上下をサンドイッチするコイル。装置本体外径が13.5mあるため、それなりの大きさのコイルである。この奥にLHDがある。この間には厚いコンクリートの壁がある。鉛などの重い元素の場合、中性子は跳ね返ってしまうが、水素などの軽い元素の場合は減速させることができる。コンクリートは性質上水を多く含んでおり、この壁も中性子遮蔽の役割を持っている。


 奥には、液体ヘリウム冷却装置が設置されている。超電導コイルの冷却は液体ヘリウムで行われている。少しでも冷却効率を上げるため、実験は秋から春にかけての半年で行われる。しかし、そのうち、常温の装置を超電導可能な温度まで冷却するのに約1か月、実験が終わり常温に戻すにも約1か月かかるそうである。そのため、冷却に必要な電力もかなり必要となる。


  
 手前には、LHD真空容器原寸モデルも展示され内部の様子を見ることができる。
  
 内部の冷却水循環パイプや、保護材の様子なども見ることができる。

  
 さらに、この施設ができる前に京都大学で稼働していたヘリオトロンの実物も展示されている。

施 設 概 要

U R L https://www.nifs.ac.jp/
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住  所 岐阜県土岐市下石町322-6
電話番号 0572-58-2222
開館時間 研究施設のため、予約した見学者のみ入場可
見学設定日 火曜日~金曜日(祝日及び12月29日~1月3日を除く)
※月曜日を希望する場合は、別途相談。
※土・日・祝日及び12月29日~1月3日は見学できない。
※見学希望日の2週間前までに事前予約が必要。
アクセス JR東海 中央西線 多治見駅より 東濃鉄道バス 学園都市線 核融合科学研究所あるいは土岐プレミアムアウトレット行 核融合科学研究所バス停下車すぐ
駐 車 場 無料駐車場あり。
駐輪場不明。
二輪車は普通車スペースに駐車することになろう。
入 場 料 無料
割引情報 (無料)
備  考

2022/08/08 update